思い出を残していく。
転校生。 私はその子と仲良くなった。 かわいくて、性格も良くて、頭も…じゃなくて運動もできる。 私と真反対なのに、その子は私を選んでくれた。 その子のお父さんは仕事上転勤が多くて、その子も同じ小学校に1年以上いたことはないんだって。 「それはそれで楽しいんだけどねー!」 本音なのか、嘘なのか。よくわからないけど、いつも笑っていた。 いつかお別れが来るんだよ。 仲良くしすぎると辛くなる。 それはわかってるけど。 一緒に過ごした時間を忘れて欲しくなくて。 思い出を残そうとする。 わかってたけど、わかってなかった。 こんなに辛いことはないよ。 あと1日だけ。残ってる時間全部。 学校も行かずに、遊び回った。 ーーこのまま時間が、止まればいいのにな。 でもそれだと、幸せにはなれないから。 思い出ばかり増えていく。 あのいつもの笑顔でいてよ。 泣くなんてらしくないじゃん。 私は逆にどうしても涙を見せたくなくてなんとか笑ってみせた。 もう行っちゃうんだね。 思い出だけが残っている。