花の価値
「ねぇね!!花に価値はある? 盆栽とか、プロがしたものではなくて、素人が育てた花よ。」 少女が言う。 「さあ?無いんじゃないか? さぁ、はやく、逃げなさい!」 少女は僕の声を無視する。 「価値はないわよね。人も同じよ。天才は早く買われていき、平民は売れ残り、散る。」 「さっきから何を言っているんだ?いいから早くそこから離れなさい!」 僕は言う。 「散るって言ったでしょ?さっき。でも私は足りなかったんじゃなくて自分で捨てる。」 少女はしゃべりかける。 「こんな生死彷徨う場所で貰っても毒になるだけ。なら、なんの足しにもならない私の栄養は何処かの誰かの命にする。」 「・・・」 「じゃ!また会おう。何処かの国のいつ何時かわからないけど。」 少女は僕に見事に咲いたチューリップの花を渡し、僕の持っていた、 「紅い花のタネ」を抱え、飛び立った。 紅い花が咲き、爆音が響く。 何年たっても忘れない。あの少女が咲かせた花の美しさと枯れ散った花弁を。