【短編小説】溶けたアイス (今辛い人へ)
暑い昼の夏場の事。 外を歩くと ギラギラ光った太陽が私の肌を焼いていくのが分かる。 私は早足でコンビニに行き 見慣れたアイスを手に取り 会計をすませた。 「はぁ。やっと帰れた」 しかし私は 家に帰った安心感と涼しい極楽感に満ちてたら いつの間にか寝てた。 うるさい上司にブラック企業。 全てを飲み込むように。。 『じゃ、森川くん。今日もこれが終わるまで残業ねー』 この上司はいわゆる世辺り上手で人によって上手く態度を変えて行く。 そんなところも 嫌いだ。 「分かりましたー。あぁ、めんどくさい。 あっ、…」 心で言ったつもりの愚痴が思わず口に飛び出した。 『…、森川くん。ボクはいつだって君をクビにすることが出来るから。じゃあ罰として明日の土曜日も昼まで仕事。はい決定ー!』 最後は小学生のように締めくくり会社から出た。 私が仕事を終えて時計を見たら もう夜12時。オマケに明日も出勤。 「嫌になるなー。」 だけどこの会社を抜けることは出来ない。ような気がするだけだけど。 「ハッ!ね、寝てた…。って、ヤバ!」私は 机を見た。そこには溶けた棒アイスが無惨にもドロドロに溶けてて食べるなんて考えも出来ない状態のアイスがあった。 だけど捨てるなんてもったいないことできないから ツイてないなー、と思いながら 棒アイスを口にした。 このアイスは美味しい。確かに溶けているけれど マズイ、と決めつけたのは完全に自分だ。 私は暑い事もあってか パクパク口にした。 「はぁ…」 あれ?おかしい。 美味しかったのに 何でため息が出るの? まあ、理由は分かってる。全てあの上司と会社のせいだ。 私はアイスのお皿と棒を捨てようと 二つを取ると思いもよらない事が起きた。 「えっ!?あ、当たり!?やったーー。」 そう、25年間生きてきて初めてのアイスの当たりが出た。 私は幸せに浸る。 心の余裕が今は無い状態だけど これから頑張る。 いや、頑張らない。 気ままに緩くやっていく。 私はそれからあの会社をやめ 自分の趣味の仕事を始めることにした。 確かに収入は不安定だけど 心に余裕がなきゃ 何をしても楽しくない。 私は楽しく 新しい職場へ歩いた。