英雄と新兵
まただ。 また、仲間を喪った。 遺骨を拾い上げ、壺に詰めていく。 兵士として戦う上で、死人が出るのは当たり前。それでも俺達は、命の限りに戦い続けなければならない。 ・・・分かってる。分かってるんだ。 近くの兵士に断りを入れて、火葬場を離れた。 しばらく歩いて、誰もいない事を確認すると。突然、足の力が抜けた。かくんと膝が折れ、その場に尻餅をつく。俺はそのまま、動けなくなった。 全く情けない話だ。【英雄】なんて壮大な2つ名、俺には釣り合わない。部下達が今の俺を見たら、どんな顔をするだろうな。 『あの・・・』 突然降ってきた囁き声に、バッとうつむけていた顔を上げる。 『大丈夫、ですか?』 長い黒髪を1つに束ねた、15くらいの少女だ。年齢から察するに、新兵か・・・ 『俺の事は気にするな・・・作業に戻れ』 すると少女は、強く首を横に振った。 『辛くて、寂しい気配がしました』 『?』 『・・・失礼します!』 目の前が暗くなって、確かな体温と石鹸の香りが体を包む・・・ 数秒の後、俺は、この少女に抱きしめられているのだと気づいた。 『・・・私の、母が。怖い夢を見た時に、よくこうしてくれていました。・・・多少は、落ち着くかもしれません』 ああ。 この少女は、俺をなぐさめようとしてくれたのか。 ぎゅう、と、すがるように少女の服を掴む。 名も知らぬ少女の腕の中で、何年ぶりかの涙を、俺は流した。
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無題
戦争って愚かですね。 けどその愚かからこの出来事が起こったので何とも言えない気持ちになりました。 文章が分かりやすかったので想像しやすかったです
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