サイダーの中の恋
「先輩、最近暑いですねー」 「確かに、俺ら文芸部だからいいけどさ」 他愛もない会話をする。 「緋菜って炭酸飲める?」 「炭酸、ですか?飲めませんねー」 私は子供のようだ。 「じゃ、おれだけか」 先輩はとても上機嫌。 「ほら、駄菓子屋」 駄菓子屋か。 「何年ぶりかなぁ?」 思わず口に出した。 「ほら見て、緋菜」 先輩は昔ながらの駄菓子屋のサイダーを持っている。 「先輩ずるい!」 先輩は瓶の栓を開ける。 シュワシュワと爽やかな音がする。 先輩はゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいる。 「1口ちょーだい」 飲めないのに。 「ねぇー、欲しい!」 口が言うことを聞かない。 「緋菜、飲めないでしょ。」 なだめるように言ってくる。 「飲めるもん!」 「だーめ!」 「のみたいよぉ」 なぜかろれつが回らない。 「1口だけならいいけど。」 1口、瓶に口を付ける。 「わ、舌がビリビリする!痛い痛い!」 先輩は水を渡してくれる。 「ごめんなさい」 「俺はいいけど、お前大丈夫?」 「え?」 どういうことだ? 先輩は少し照れている。 「や、そのえっと、ほら同じ瓶で飲んだから、、、」 やっと私は理解した。 「間接っ!」 「ちょっと、緋菜。照れる・・・」 部活からの帰り道を夕日が明るく照らしていた。