あいつは枕元でささやく
今日も私は残業を終えて帰ってきた。 あー疲れた。カバンを放り投げ、夕飯も食べずベッドへ直行した。 私は、いつの間にか寝ていた。 「おい」 仮面を付けたあいつは今日も言った。 「俺の正体は分かるか?」 知らないよ。今日は寝かせてよ。疲れたんだから。 「夢でしか会えないのにもったいないやつだよ。もう少し話そうぜ」 あいつはそう言った。 あー夢か。 起きてるわけではないのか。 おい、明日は気を付けろよ あいつがそういったような気がした。 目が覚めた。朝だった。 私は夢のことも忘れ、いつも通り駅へ向かった。 今日は駅が異常に混んでいた。ホームで待っていると、みるみる人が押し寄せ、私はだんだん線路の方へ押し出されていった。 ドンッ 私はわけも分からぬまま線路へ落とされた。 そこへ電車が近づいてきた。 人々の悲鳴が聞こえる。 ひっ、轢かれる… ドンッ 私はまた押された。 え? 私はホームの下の空洞にいた。 助かったの? 周りを見ると、線路の上に半透明の あいつ(死んだ彼)がいた。