猫のりん、夫婦生活。
俺は、猫だ。名前は、りん。 目を覚ましてあくびをしていると、バタン、とドアが開いた。 ドアを開けたのは、ミオリ。図体がでかい癖に狩りをしない、ダメな奴だ。でも、どこからか毎日飯を持ってきてくれる。 『りん、おはよー』 ミオリに挨拶を返す。ミオリは、大事な俺の嫁さんだから、しっかり守ってやらねえとな。 『はい、ご飯だよー。』 ミオリはいつも、俺に飯を用意してから自分の飯を食べる。いつもの食事は、そこそこ美味しい。でも、たまにミオリがくれる【ちゅーる】のほうが俺の好みだ。 飯が終わったら、ミオリは紙を机いっぱいに広げ始める。確か今は【ジシュクキカン】だからだと言っていた。よく分からないが、ミオリが縄張りを出て行かないのは素直に嬉しい。 『はー、やっと終わった!!』 ミオリが棒切れを置いて、紙を仕舞ったら、俺は一目散にそっちに走っていく。疲れている妻を元気づけるのは、夫である俺の役目だからだ。 『やっぱ、りんを撫でるのが一番癒されるなぁ・・・』 ミオリはいつも、そう言って俺の腹に顔を埋める。くすぐったいが、ミオリが嬉しそうにしているから俺はそれで構わない。 ミオリはいつも、窓の外にいる奴らにも飯を食わせている。俺というものがありながら・・・と思うこともあるが、あいつらにミオリを渡すつもりはさらさらない。ミオリは俺のつがいで、嫁さんなんだから。奴らがミオリを襲ったりしたら、全力で応戦するつもりだ。 ミオリは優しいから、騙されやすいし傷つきやすい。 これからも、俺が守ってやらねぇと・・・