無題
一体、何が分かるって言うんだろう。何が「悪魔」なんだろう。 僕が人喰いになった日。周りの人の態度が変わった。親も、友達も、近所の人も。なんで? 僕はなりたくて人喰いになったわけじゃないのに。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 22XX年。「人喰い」を生み出すウイルスが、瞬く間に世界中に拡がった。僕もその内の一人だ。「人喰い」といってもゾンビみたいなものじゃない。ちゃんと自分の意志がある。最初のうちは人を喰うまいと必死だった。喰ってしまえば、人としての自分が死んでしまうように感じたから。ある日、とうとう空腹に耐えられず、人を殺めてしまった。「ごめんなさい」そう何度も叫びながら泣いたのを、 今でも鮮明に思い出すことができる。今、僕はビルの屋上から東京の街を見下ろしている。僕はすっかり「人喰い」になった。 「早く行きましょうよ。リーダー」 と、数人の仲間が急かす。 「うん。そうだね」 行こう。僕らは一斉にビルから飛び降りる。僕らは死なない。人間より何倍も丈夫にできている。 復讐の始まりだ。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 至る所で鳴り響くサイレンに、人々の悲鳴。全部、僕らがやったことだ。燃える東京を見下ろして。呟く。 「ごめんね。」