桜色の夢~短編小説~
「ねぇ、春って好き?」 不思議な子だ。そう思った。 僕のクラスに転校生がきた。とても優しそうで、まるで桜みたいな暖かさだった。 「よろしく。俺、サクラ、桜に夢って書いて桜夢って読むんだ、変な名前だろ。」そんなことないよ、僕は言った。 「春って好き?」桜夢は僕に聞いた。 あんまり好きじゃないかな、と答えると桜夢は「そっか。」と、どこか悲しそうな顔をしていた、そんな気がした。 そこから、僕と桜夢は親友になった。春が過ぎ、夏が過ぎ、秋になった。桜の花ももうすぐで散る季節だ。そんなある日、桜夢はふと僕に言った。 「信じられないと思うけどさ、俺な、桜の花なんだ。だから、冬には俺はこの世界から消える。もう、会えないかもな。」 僕は信じなかった。いや、信じたくなかったんだ。 衝撃の事実を突きつけられると、そこから時間が早くすぎるって本当だったんだな。あの日から一瞬で冬になってしまったみたいだ。 桜夢は12月半ばに転校していった。お父さんの仕事の事情だから。と一言告げて。 僕は桜夢のことを忘れられずにいた。 忘れられないまま、3年の年月が過ぎた。 「もうそろそろ桜も咲く時期か。」 と、桜の木を見ながら聞こえないくらいの声で呟いた。 『ねぇ、春って好き?』 聞き覚えのある声だ。まさか、いや、そんなはずは無い。そう思いながら後ろを振り向いた。 桜夢だ。 もう覚えてないかもしれない。記憶は残っていないだろう。 でもいいんだ。また逢えたから。そう思いながら僕は桜夢の質問に答えた。 「春は、あんまり好きじゃないかな。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ どうでしたか?不思議なお話を作ったつもりですけど、伝わりました?笑 感想やアドバイス、待ってます!