ガラスには映らないー美波絹編
私は首を傾げた。 私の班が担当するパーツが筆記体のSに見えたのだ。 私のアラームが不信感を示していた。 私は妹の児童会の澪(みお)に卒業制作のステンドグラスの全体デザインを見せてもらった。 幸い、私は英検一級を持っており、筆記体にも通じていた。だから、We hate Asamiと筆記体を繋ぎ合わせれば出てくることも分かった。 「私たちはあさみが嫌い。あさみって、水木(みずき)あさみさんのこと?」 澪が不思議そうな顔をした。 「菊輪(きくわ)さんはこれで何をしたかったんだろう?」 菊輪あみ。ステンドグラスの卒業制作をデザインした人。 「たぶん、いじめてたんじゃない?菊輪さんが人をいじめてたとか、水木さんがいじめられてたとかいう話は聞いたことがなかったから、校外が舞台だったからこっそりいじめてたんでしょ。それで、極め付けにこれ。 ねえ、これ、どうするべき?Sを一本棒にして、Amiにする?」 澪は頷いた。 「そうした方が良いよ。こんなの、最悪だし、加担したくない」 翌日、私は水木さんを呼び出した。 水木さんに、卒業制作のことを伝えると、瞳から光が無くなり、ガラスのようになった。 「ねえ。澪に全体デザインを見せてもらって気づいたんだけどさ。この文、私たちはあさみが嫌いっていう文になるの。この、S、無くそうか?」 水木さんは頷いた。力の無い頷き方だった。 「じゃあね」 そう言って、私は背を向けた。 結果、私は水木さんを除く学年全体から嫌われることになった。 でも、後悔は無い。だって、学校がある限り永遠に残る制作に嫌っている人の名前を残す方が卑怯でしょ?
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なんか切ない...
少し切ない小説ですね... 少し泣いてしまいました...
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