【短編小説】そうして私は撃ち放つ
そうして私は、銃を手に取った。 「ねぇ、そう思わない?」 一瞬、言葉がつまった。早く言葉を返そう。早く。二人の少女は、まるで貫かんばかりに見つめてくる。 一人は何かに怯え、すがるように私を見つめ、一人は飼い犬がお座りするのをじっと待っているように私を見つめていた。 「ねぇ、そう思うでしょ?」 私はすぐさま、銃を掴んだ。黒光りする銃口をクラスメイトに向け、そして… 「うん、そうだね」 引き金を引いた。 その瞬間、暖かい安堵が胸を包み込んだ。しかし、首筋にはまだ冷や汗が流れる。 ごめんね。私は自分の身を守りたかったの。あなたを傷つけたかったんじゃない。だから、憎まないでよね。 目の前に立つ彼女に目をやると、俯きながら、かすかに震えていた。そして、彼女の体には私が撃ったばかりの新しい傷が。ほかにも、銃弾が貫いたような穴がある。それはどれも痛々しく、今にも血を溢れさせてしまいそうだった。 私は、それから目をそらした。 そんなに傷つくなら、銃を撃てばいいのに。反撃すればいいのに。 そう思いながら、私は、隣に座るきゃっきゃと笑う彼女たちに、笑顔を振りまいた。 ああ、今日も撃たれずにすんだ。 そうやって、私は毎日をおくる。
みんなの答え
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銃って怖い
いじめという舞台に立たされた人間は、「いじめは良くない」なんて真っ当なことは言っていられなくて…言葉の銃を向けて己を守るしか出来なくなる人だって、そりゃあ大勢いるよなぁと改めて思いました。私はその舞台に立ったことがないけれど、多分、私もそう。 何だか色々考えさせられるような繊細な描写や、巧みな言葉遊びが、とても好きな作品だなぁと思いました。読み応えと魅力のある素敵なお話でした! 読めて良かったです。書いてくださってありがとうございました♪