雨上がりの空
私は自分に怒った。こんな、フラれる時にもドライだなんて。 彼は、一言、 「じゃ」 と言って近くのコンビニに待つ女の子のところに行った。栗色の髪の、可愛い女の子。いかにも、男が好みそうな子だ。 多分、高校生。大学生の私たちが高校生と出会うとしたら、高校生がキャンパスに来た時とかそれくらいだ。きっと、あの子ともそうやって出会ったのだろう。 あの子、頭悪そうだけどね。私たちが通ってる大学に入れそうにないけどね。心の中で毒づく。せめてもの慰みに。そうしても虚しいだけなのに。 パラパラと雨が降ったかと思ったら、ザーザーと大雨になった。 天気予報に無い、雨だった。 私は大急ぎで近くにあった本屋に駆け込む。そこで、私と同い年くらいの男の子とぶつかった。華奢で、綺麗な顔の男の子。いかにも、頭が良さそうだった。 「すみません」 そう謝って、私は彼から離れる。だが、私は彼からなかなか目を話すことができなかった 見覚えがある気がした。しばらく、記憶を探って、思い出した。同じ学科の人だった。私と同じ学年の、難関私立から大学に入学した人。 私が笑顔になった時、雨が上がった。雲が嘘のように私の視界から消えて、青空が現れ、空に虹がかかる。 彼、潤(じゅん)くんが本屋から出ようとする。私は声をかけた。 「同じ大学に通ってるんですけど、名前、覚えてる?」 しばらく、首を傾げた後、ハッとした顔になる。 「しおりさん?」 「そう。ねえ、連絡先、教えてよ」 私がそう言うと、彼は嬉しそうに笑った。 スマートフォンをバッグから出して、私に向けた。 絶対に、落としてみせる。だって、私は彼が好きになったから。