雨の日
____ぽつっ… 「……あ…」 どうやら雨が降ってきたみたいだ。 ふと時計をみるともうとっくに下校時刻をすぎている。 学校の昇降口への入口の階段に腰を下ろしていた私は鞄の中をごそごそと探った。 「あれ……ない……」 ない、ない、傘がない。忘れてしまったのだろうか。 慌てているうち雨はどんどん強くなっていき、あっというまに大雨になった。 私は傘を探すのを諦めて鞄を頭上に掲げると一気に走り出した。 「はっ…はっ……ッきゃあっ!?」 バシャッと大きな音をたてて私は雨に濡れた地面にころがった。泥に足を取られて転んでしまったのだ。 新品の制服は泥だらけだ。 「はぁ……はぁ……」 起き上がれない。力が出ない。涙がぼろぼろと零れてくる。 雨は嫌いだ。 小さい頃、迷子になったときに雨が降り出した。 私には両親がいない。ずっと孤児院で過ごしている。 だから迎えに来てくれる人もいない。ずっとひとりぼっち。 もう私はこの世の誰からも必要とされていないんじゃないかって。誰も私のことを見ていないんじゃないかって……怖かったんだ… 「あ…あぁ……」 雨は強くなって、周りがよく見えない。 寒い。辛い。 「だれか……たすけて……」 「____ちゃん!!」 「……え…?」 水が跳ねるバシャバシャという音とともに現れたのは、私と隣の席の落合くんだった。 「お……落合くん…?どうして…」 「僕、家が学校の真ん前にあって、窓から学校の方を覗いて見たら____ちゃんが倒れててさ……」 びっくりして駆けつけてきたんだ、と落合くんは言った。 「さぁ、早く、風邪引いちゃうよ。」 こう言って落合くんは私の手をぎゅっと握りしめて立ち上がった。 暖かかった。 ___初めて感じた、人の温もりだった。
みんなの答え
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よき…
めっちゃいいですね……!! 落合くんイケメンなんだろうな…() 主人公ちゃんの名前が明かされてないのもすきです…… 人の温もりって表現がすきです!! また薫さんの次回作楽しみにしてます!