ミステリー?
彼は、全員の顔を見ていった。 「万が一のことを考えて……」 そうひとつ前置きをして、首を縦に振った。 「一応形式状に聞いておくが、この中には犯人何ていないよな?」 室内には、静寂が漂った。隣の人の呼吸が聞こえるくらいに、静かになった。 「信じてるんだ、正直にいってくれ。もしもあとになって、実は身内が犯人でしたなんて、笑えるらな」 自分がしゃべらないと、一生このままだ、と悟ったのか、彼は明るい雰囲気を装った。しかし、僕にはわかっていた。いや、はじめから、わかっていた。知っていたというべきか。 多分その事を知っているのは、僕だけ、自分だけ、ただ一人だ。 机の上におかれていたはずの花瓶が、粉々になって床に落ちていた。発見されたのは、今から、10分か、そこら前。その10分で彼は、部屋にいた全員を容疑者として、探偵ゲームを始めた。僕は、一番最後、彼よりもあとに来たことで、容疑者の線は薄れていると、彼に判断されていた。 しかし。違うんだ。 真実とはいつも違うものを、探偵を名乗る人間は真実だとする。探偵がいっているのは、真実じゃあない。しんじつなことには、しんじつなのだが、それは、信実とかいたものだ。 まあ、あれこれと、口にしたところで、はっきりと言わないと、ことは、わかってもらえそうにはない。犯人は、僕だった。 至極単純な話。僕は、花瓶を割って、手を切ってしまった。だから、洗面所のあるトイレにいった。ただそれだけの話だった。 起承転結、山あり谷ありそんな物語なんて、現実にはそう簡単には、生まれてこないものだ。
みんなの答え
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異彩
このテンション結構好きです。 恋愛小説ばっかりの中で、シリアス? っていうのかな? この雰囲気、ミステリー? 小話? みたいなのはすごく新鮮でした。またこの作者のを読みたいかな、
わぁお・・
びっくりしました、本当の事件系かと思ったら花瓶が割れたというなんだか身近な題材で面白かったです。 犯人が語り手というところもいいです。 最後のもなんだか深いですねぇ。 同い年とは思えないです。。。 これからもがんばってください!!