ゆびきりげんまん
さらり、と、彼女の頬を撫でた。 瞼に、頬に、唇に。 いつも通りの順番で、おはようのキスをする。 いつもと違うのは、彼女が俺に抱きついて来ない事と。 彼女の身体が、ひんやりと冷たい事。 ・・・ただ、それだけだ。 いつも柔らかかった唇は、少し固い。 俺がからかうと桃色に染まる頬も、今はただ、雪のように白かった。 瞼はしっかりと閉ざされ、開く事は無いのだろう。・・・もう、二度と。 『・・・おい、起きろよ』 ちゃんと、おはようの挨拶はしただろ?いつもみたいに、「おはよぉ」って。 『今はまだ夕方だぞ』 寝るには少し早すぎやしないか?今ならくすぐりの刑で許してやるから、間の悪い冗談はよせ。 『・・・結婚式、まだ挙げてねえだろ?』 ドレス選んで、式場も決めたじゃないか。お姫様みたいって喜んでたろ? 『退院したら二人で焼肉食いに行くんだろ?』 『夫婦貯金で一軒家買って、のびのび暮らそうって・・・』 一生一緒にいる、絶対に離れない、って・・・ゆびきりして、約束したじゃねえかよ。 俺一人だけ置いてくなんて、許さないからな? 『なあ、頼む。起きてくれ・・・っ』 彼女の小指に、そっと小指を絡める。 それでも彼女は、目を覚まさなかった。
みんなの答え
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sugoi!!!!
こんにちは目高です。 なんかゾワーーってしました。いい意味で 少し悲しいお話でしたね。 短い文でめっちゃわかりやすいのがすごいと思いました 私には到底書けないな…ガンバロ 彼女さん言っちゃったんだ…切ないです もし生きていたら幸せに暮らしてたんだろうな。きっと笑顔で溢れたと思います もっともっと書きたい事はたくさんあるけどここまでにします 最後にこんないい作品を作った月灯 垂さん、有難うございます 回答したのは初めてだけど過去のも幾つか見させていただきました。いつか回答しようって思ってたけどできなくて…
今回も凄いです!
いつもより短編ですがとても綺麗にまとまっていて、さすがだなぁ………と思いました。 彼女の死に気づかないふりをしている、それだけ彼女のことが好きで死んだことが認められなかった彼、よほど悲しかったんだなぁ、と思いました。 今回もすごかったです。