さいごのありがとう
最近、児童館にふわふわ漂う不思議な白い玉がある。 おもちゃかな、と思って手にとってみたけれど、犬の毛並みみたい。 なんだろう、これ? 児童館の人に見せても、 「わあ、気持ちよさそうだね、このふわふわ。優香ちゃん、どこで見つけたの?」 と言われるだけ。 私は、児童館の人に頼んで、家に持って帰らせてもらった。 学校から帰ってきたある日、突然白い玉が光りだした。 白い玉を見ると、そこには一人の女の子が座っていた。 何か見たことがある子だな、と思ったけれど… 「私は、まゆみ。あなたは、優香?」 どうして私の名前を知ってるの? 不思議! でも、気付いちゃった。 「え…まゆみなの?」 まゆみと名乗る子は、正真正銘、私の元親友だった。 まゆみは、二年前、病気で死んでしまった。 なのに…なんでここに? 「私ね、死んだけど、未練があってね。」 「未練って…何?」 まゆみは何でも完璧だから未練なんかないと思ってるけど… 「優香、ありがとう。私の、親友でいてくれて。それと、生きてたとき、病院に毎日来てくれて。」 私の頬に涙がつたってきた。 「まゆみ、二年経った今でも…こうして私に話す機会をくれてありがとう。大好きだよ」 まゆみも泣いている。これが、本当の幸せだと今、気付いた。 まゆみの身体が空へ飛んで行く。 「じゃあ、優香、100年生きるの頑張って!じゃあね!」 「うん!まゆみ、ありがとう!」 私は、天に向かって叫んだ。 それと同時に、まゆみにバカな目標を覚えられていたのが恥ずかしかった。 でも、まゆみが覚えていてくれるのが、嬉しかった。 またね、まゆみ。 ありがとう。