子猿の見たもの
僕は子猿。今日は朝早くに起きてこれから色々なことを教えてくれる所へ行くんだ。僕たちが大人の猿になったとき賢い猿になれるように。今日もそこへ行った。明日も明後日も行く。僕は正直行く必要がないと思う。この頃はそう思ってたんだよ。でもね、好きな時間があってそれはお昼になったら大好物のバナナを食べたり、バナナを潰してサイダーをいれたバナナサイダーを飲めるんだ。僕はそれがあるから毎日行けたのかもしれない。一ヶ月後家族と一緒に村の偉い猿のところへ行った。他の猿もいた。どうやら偉い猿によると一部のゴリラと猿がバナナや木を求めて争っているみたいだ。その話を聞いた後は、ふーん。と軽く考えていたけど考えが変わったのはその数日後。隣町の木だけの争いが僕たちの住んでいる木にも争いは始まった。隣の木に住む猿がどんどんやられてって友達猿も失い親もゴリラに殺されてしまった。その間は、毎日食べていたものは無くなり最悪の場合住むところもなくなるんだ。 僕のこの傷は一生消えないって分かってるけどやっぱりどこかで誰かに甘えてしまっている。そういう時ってだいたい過去を思い出すんだよね。思い出は何でも美化されるって云うけどあの事については美しくならないしあまり触れたくない。僕らは大人の立派な猿になった。あの事を知っているのは僕らだけ。僕たちの子供は何も知らないし話そうとしたってバナナに夢中だ。悲しいし思い出したくないけどいつかは触れないといけない部分なんだな。